里帰り
あの頃とまったく何も変わっていない場所
築90年の家と90歳のおばあちゃん
自分が小学生のころ駆け回った居間を
今度は自分の子供たちが元気に同じ場所を駆け回る
建具やふすま 照明器具や扇風機までもがあの頃のまんま
小学生時代 おばあちゃん家に指折り数え楽しみにおとずれた記憶
なぜだかすべてを鮮明におぼえている
裏山の景色 蚊取り線香の香り 風鈴の音色
いつもおばあちゃんが焼いてくれるかき餅の味
スイカを冷やし水遊びしていた
小川のせせらぎや水の冷たさ
すべてがなにひとつ変わらず
どんなときでも 成長した僕たちを優しく受け入れ
そして あたらしい命たちまでも包み込んでくれる
この居心地のよさは ほかに例えようがない
完全に「時の止まった時空間」
90年
すべての人間模様をあたたかく見守り続け
そして生き続けているこの家この世界を
僕たちはどんなに頑張っても造ることは決してできない
ただし
100年後
「おなじこと」を想ってもらえる家は きっと造れるはずだ
未来の自分 未来の家族 そして未来の子供たちのために・・・
決してわすれてはいけない 人 物 事 そして 場所
「守って 生きたい」
NOBU