お母さんの「印鑑」

先程、K様ご家族とのご契約が成立した。
K様との出会いは昨年10月の内覧会だった。
残念ながら色々な諸事情で、一度は建築を断念せざる終えなかった。
それでもK様、そしてK様お母さんは、これまでの辛い試練や過去を、
建築とはまったく関係ない分野で、いつも自分を信じ、話してくれた。
そしてこれまで、お互いに励ましあってきた。
そして今日、K様ご家族の建築への強い想い願いがすべてつながり導かれ、
ご契約への運び、ご縁となった。
そして、建築業界に携わって10数年、
「初体験をした」。
K様のご契約は、K様とお母さん、お二人連名でのご契約だったのだが、
K様が印鑑を押したあとに、お母さんが自分に、
「私の印鑑をあなたが押してください」と自分に実印をさしだされた。
「いや、それは困ります!大切なご契約、さっかくの記念なので、
お母さんが押されてください!」
当然自分はそう答える。するとお母さんは、
「あなたは私達の色々な話を親身になって心から聞いてくれ、
理解してくれた。あなたみたいな人はこれまで一人もいなかった、
そして、あなたもこれまで色々な苦労、経験をし、試練を乗り越えてこられた。
あなたに、私の印鑑を押して欲しい」
「・・・・・・・・・・」 数秒間考え、
「解りました。では責任をもってお母さんの印鑑を押させていただきます」
そして、お母さんの実印を手に取り、心を込めて、捺印した。
「手がふるえた」。
60近いお母さんが大切な実印を自分に渡し、何千万円もする建物契約の印を、
自分に、託す。
「いったいどんな気持ちだったのであろう?」と考えたのもつかの間、
一気に込み上げ、涙をこらえるのが、必死だった。
本当に、嬉しかった。
心から、感動した。
言葉にうまく、ならなかった。
最後に、K様ご家族と、かたい握手を交わした。
そして、言った、いや誓った。
「僕達は、家を売っているのではありません、
生きる・・・、家族皆が笑顔で生きる場所、
これを、必ず造ります。
どうかご安心ください、
任せておいてください。」
デザイン、機能性など、これを追求するのはもちろん大切な事だ。
ただし、「まったなしの生涯のマイホーム」は、
「関わる全ての人間の魂が宿る」ということを絶対にわすれてはいけないと、
そしてその想いがすべて集結したときに、
そこに住む家族達は、何億何十億何百億かけたデザインと機能美に、
溢れた家よりも、シアワセに「生きる」ということ。
すべて、人が造るもの。
なにをどうあがいても、真の心、「真心」には、絶対勝てない。
自分達の使命
「生きる」という家を、造るということ。
K様ご家族様
今日の更なる気づき、「ありがとうございました」。
そして、「一緒に心を込めて、造っていきましょう」。
NOBU

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